心房細動はある日突然やってきます。本当は突然ではなく、上室性期外収縮という軽症不整脈が先行することが多いのですが、それに気付かないと突然出現したように感じます。心房細動は心臓が規則正しく拍動できなくなる不整脈です。症状は様々で動悸、胸部不快感、歩行時の息切れ、倦怠感などがありますが、全く無症状のこともあります。心房細動自体はすぐに命に関わるものではありませんが、心臓の心房という部分がけいれんするように小刻みに震えるため、心房内で血液のよどみが生じて血栓という血液のかたまりができやすくなります。血栓は血流に乗って脳へ運ばれると、脳の血管を閉塞させ脳梗塞を発症させてしまいます。心房細動によって起こる脳梗塞は他の原因で起こる脳梗塞より重症化することが多く、脳梗塞発症のリスクが高いと判断された場合は血栓を予防するための薬が必要になります。心房細動の診断は比較的簡単です。ご自分で脈が測れる方は、脈拍のリズムが規則正しいかどうかを確認してみて下さい。もし、乱れに気付いた場合は一度医療機関に相談しましょう。
菊名やまゆりクリニック